「未来ある若者たちに栄冠が輝くことを願っています。」  

先週のNHK連続テレビ小説『エール』は全国高等学校野球選手権大会の大会歌である『栄冠は君に輝く』にまつわる話が展開されました。「♪雲はわき 光あふれて♪」で始まる歌は、日本の夏の風物詩と言っても過言ではありません。実は私は、この歌が大好きでカラオケでよく歌っています。・・・ この曲の作詞者は加賀大介です。何と5,252篇中の公募の中から見事1位となりました。加賀は野球球児でしたが、試合中の怪我による骨髄炎のために右足切断を余儀無くされ、野球を断念した経緯があります。この詞には、野球に対する加賀の熱い想いが強く込められているのです。彼は、自宅前の浜小学校で子供たちが野球をする様子をよく見ていたと言われています。加賀は1973年、58歳で没しました。その翌年に、同じ根上町で、希代のスラッガー、松井秀喜が産声をあげました。松井の出身小学校は加賀と同じで根上町(現能美市)立浜小学校です。さらに驚くことに加賀の長女(淑恵)は、浜小学校の校長を務めていました。何とも奇遇としか言いようがありません。・・・加賀の「栄冠は君に輝く」を手にした古関は、実際に甲子園球場を訪れ、マウンドにたたずみ、名曲を生み出したと言われています。一昨日の「エール」では、加賀(ドラマでは多田となっていました)は「未来ある若者たちに栄冠が輝くことを願っています。」というメッセージを送っていました。・・・2番の歌詞の冒頭は「♪風を打ち 大地を蹴りて♪」で始まります。かなわなくなった大地を蹴る夢を、若者たちに託す。絶望を経験した彼だからこそ書くことができた切なくも深い思いを感じます。 ~頑張ろう! 西中!~

※石川県能美市の根上野球場の歌詞碑