卒業式を終えて・・・義務教育からの卒業を心からお祝い申し上げます。

今朝撮影した写真です。卒業式で飾られた花が昨日のうちに職員玄関入り口に移動されました。・・・おかげさまで昨日3年生91名全員に校長から直接卒業証書を渡すことができました。感無量です。保護者の皆様、お子様のご卒業、おめでとうございます。お子様の成長に合わせて一喜一憂した中学時代だったのではないでしょうか。入学以来3年間、お子様をお預かりいたしましたが、保護者の皆様には必ずしも満足のいくような教育ができなかったかもしれません。しかし、私たち教職員一同は、本校の教育の根幹となる学校教育目標「こころをみがく」に向け、全力で教育活動に取り組んでまいりました。・・・Withコロナという時代になり、これからはより一層不安定で、複雑な世界が広がり、数年先さえ予測することが困難な時代になると思われます。しかし、どんな困難な時代を迎えようと、お子様たちは本校で学んだ事を基礎にして、これからの人生をたくましく生き抜いてくれるものと確信しております。・・・今までの本校の教育活動に対して、ご理解、ご協力をいただきましたことを心より感謝申し上げるとともに、義務教育からの卒業を心からお祝い申し上げます。 ~頑張ろう! 西中!~

【令和4年度 第43回卒業式 式辞】    

  やわらかな日差しと、校庭を渡る風に、春の息吹を感じる季節になりました。

    卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。皆さんは、本日をもって、中学校の課程を修了します。小学校の6年間とあわせて、9年間の義務教育の課程を修了するわけです。このことは、皆さんが、社会人としての基礎を築きあげたということです。

 卒業生91名全員の進路が決定しました。嬉しい限りです。皆さんは、4月から、それぞれが選んだ道を進むわけですが、ここまで目標に向かって、一生懸命に頑張った経験は、次のステージできっと活きてくると思います。

 この3年間、私は皆さんと共に二宮西中学校での生活を共に過ごしました。皆さんの長所を一言で言うなら、それは「やるべきときに  やるべきことを  しっかりできる」ということです。修学旅行では、3日間一度も、遅れることなく時間をしっかりと守ることができました。この時間を守るという当たり前のことがしっかりできたということ、受検が終わってからの日々の学校生活をしっかりと送ることができたということは、当たり前のことではなく、実に素晴らしいことです。

 夏休みの前半には、3年生全員と校長室で面接を行いました。「将来の夢を教えてください。」という質問に、全員が自分の言葉で堂々と答えてくれました。皆さんの成長と誠実さを感じることができました。私にとっては、とても、充実した時間でした。 

 さて、この3年間、皆さんは「いのち」について様々な学びをしてきました。・・・皆さんもご存じだと思いますが、12年前の3月11日、東日本大震災により、日本は大きな試練と困難に包まれました。皆さんは、このとき、幼稚園に入る前でした。また、先月の6日には、トルコ・シリアでマグニチュード7. 8の大地震が発生しました。両国合わせて、5万人以上の死亡がすでに確認されています。・・・学校が被災するなどして、トルコ国内だけでも、学校に通えなくなった子どもの数は、400万人を超えています。

 一方、ロシアがウクライナに対する軍事侵攻に踏み切ってから1年が経過しました。ウクライナでのロシア軍の戦闘の様子、ウクライナ国内の一般市民や子どもの様子が日々報道されています。国内だけではなく、世界各地において、今も辛い思いをしながら、毎日、懸命に「生き抜こう」と頑張っている人たちが、まだまだ、多くいることを決して忘れないでください。

 1000円札に描かれている医師の野口英世は、「変えられるものが2つある。それは、自分と未来だ」と言っています。・・・「自分と未来をよりよくするため」に、人は学ぶのです。さらに「学ぶこと」には、もう一つの意味があります。それは、「学んで得た力を人のために使うこと」です。学んで得た力を、多くの人のために使える優しい人になってください。人の優しさは、AIには絶対に負けないと私は確信しています。皆さんの優しさで、未来を明るく照らしてほしいと思います。

 皆さんへのはなむけの言葉として、私が一番好きな言葉を贈ります。この言葉は、私が尊敬する剣道の先生から教えていただいたもので、今でも、私の人生を支えてくれている言葉です。それは「おれがおれがのがではなく、おかげおかげのげでくらせ。」という言葉です。

 人は、成功したとき、あるいは試合に勝った時など、つい鼻が高くなってしまいがちです。良い結果が得られたのは、確かに自分が頑張ったからですが、自分ひとりだけで、良い結果を、勝ち取ったわけではありません。多くの方々のご指導とご支援により今の自分が形成されたおかげなのです。

 みなさんの目の前にあるビオラの花は、本校PTAの「花つくり隊」の方々、そして教職員による鉢植えや水やりの作業があったおかげで、咲くことができたのです。これと同じくみなさんが、今日の良き日を迎えることができたのは、多くの方に支えられてきたおかげです。そのような方々に対する、感謝の気持ちを決して忘れないでください。

 もう一度くり返します。「おれが おれがの が ではなく、おかげ おかげの げ でくらせ。」これからの人生において、この言葉の意味をどうか皆さんなりにしっかりと考え続けて下さい。

 保護者の皆様、本日は、お子様のご卒業、誠におめでとうございます。

 教職員を代表いたしまして、今日まで、本校の教育活動にご理解・ご協力いただきましたことを心より感謝申し上げます。     

 卒業生の皆さんの前途が、栄光に満ちた、すばらしいものであることを、祈念し、式辞といたします。       

   令和5年3月8日 

   二宮町立二宮西中学校長 和田智司